夏山のハチ

暑い夏。山ではハチに刺される事故が多発します。おだやかな性格のミツバチ相手でも、うっかり巣に近づけば襲われてしまいます。アシナガバチもそうですが、とくに用心しなければならないのはスズメバチ。一匹でも見かけたら、静かに速やかにその場を離れなければなりません。
ハチはなぜか黒い物を見つけて攻撃してきます。夏山では白っぽい服を着ましょう。万が一、刺されたときのことを考え、長袖、長ズボン、手袋をおすすめします。かつてスズメバチの巣取りを行ったとき、数百m離れたところに立っていた無帽の人が頭を刺されてしまいました。頭髪の黒でさえハチの攻撃目標になります。女性の化粧品や香水も危険です。ハチは甘い臭いに敏感らしくジュースを残しておいても近寄ってきます。
ハチに刺されたら、傷口を水で洗い患部を冷やします。冷水がないときは口で毒と針を吸い出し、飲み込まないよう注意して吐き出します。傷口にアンモニア水をかけるのは現代では迷信とみなされています。ハチ毒(酸性)をアンモニアアルカリ性)で中和させるなんて試験管の中でしか成功しません。小水をかけるのも無意味で患部を汚すだけ。腫れを抑えるため虫刺され用の軟膏を塗ればよいでしょう。できればハチ刺され用の抗ヒスタミン剤入りステロイド軟膏を携行してください。深刻なアレルギー性ショック反応を起こさなくとも、ハチに刺されたらとりあえず医師の診察を受けましょう。
立山の学校ただいま夏休み中。自宅から短期アルバイト(就労体験)に出るよう、生徒たちに推奨しています。