不登校・ひきこもり(その1)

不登校・ひきこもりの時代といわれて久しい気がします。現に、多くの市町で小中学校へ通えない子どものための適応指導教室が運営され、街なかでは高校を中退した少年少女のための通信制高校や単位制サポート校が増えています。
不登校やひきこもりを「発熱」にたとえることがあります。発熱は結果、状態であって原因ではありません。発熱の原因は風邪やウィルス感染であるかもしれず、疲れだけのことかもしれず、深刻な外傷や内臓疾患が原因である可能性もあります。原因は多様であって処方箋も一つではありません。
不登校やひきこもりはこの発熱に似ています。不登校・ひきこもりの原因は学校や職場でのいじめ被害かもしれないし、ちょっとした失敗体験、家庭内の不和、あるいは友人との葛藤や失恋かもしれません。本人でさえ自覚できない深層心理の影響ということもありえます。具体的な原因を特定できない場合には、本人も家族も長く苦しまなければならないでしょう。