進路を探る

ちょうど1ヶ月前。山の学校へハローワーク公共職業安定所)の方に来ていただき、生徒と保護者を対象とした「就職説明会」を実施しました。そのあと生徒・保護者・学校職員による「三者面談」を行いました。高卒の生徒や高卒と同年齢の生徒たちは、漠然と就職を希望しています。しかし具体的な職業イメージがまだ固まっていない様子です。とくに不登校のまま小中学校時代を過ごした少年たちの場合、実社会との関わり合いが少なかったため、やむを得ない傾向かもしれません。
高校卒業予定者を採用するとき、求人の流れはおおよそ次のようなものでしょう。<6月以降、事業所(雇用主)は求人票を作成し管轄のハローワークへ送る。→ 求人票がチェックされ事業所に戻ってくる。→ 事業所はこれはと思う高校とその高校を管轄するハローワークに求人票の写しを送る。→ 高校が生徒に求人票の写しを見せて個別に就職指導を行う。事業所から指定校とされている学校の場合は校内選考で応募者を決定する。→ 指定校から学校推薦による応募、その他の高校からは一般応募が事業所に届く。> このような高校の職業紹介事業は「職業安定法」でいう「無料職業紹介事業」に該当します。幼稚園と小学校を除く学校(学校教育法第1条)、専修学校、職業訓練校・大学校(職業能力開発促進法)、さらには、特別の法人、福祉増進や産業発展のための施策と厚生労働大臣が認める事業を担当する地方公共団体などが無料職業紹介事業を行うことができる、とされています。
山の学校の場合、設置目的が「自信と夢と勇気をもって兵庫の未来を拓く、こころ豊かな青少年を育成するため」という漠然とした理念ゆえ学校教育法でいう「学校」に該当せず、従って職安法でいう「職業紹介事業」を行っているわけではありません。これまで生徒個々の事情に応じてふさわしい職場を求めてきました。来春1年間の課程を修了した少年たちは現実の社会へと巣立って行きます。生徒と保護者と学校職員とが対話を重ね、厳しい状況のなか、一人ひとりに適した進路を探らねばなりません。