森林実習の流れ

森林実習では樹木を育て伐採するまでの仕事の流れを実地研修します。
【育苗】樹木の種は山に直播き(じかまき)せず、畑で苗木に育てます。【植え付け】山の斜面を整地(地ごしらえ)しておき、春先か豪雪地帯なら秋に、1.5〜2メートル弱の間隔を開けて苗木を植えつけます。【下草刈り】苗木は6〜7年間雑草と戦わねばなりません。日光と雨水をめぐる争奪戦です。柄の長い専用の下刈り鎌や刈り払い機を使って雑草をとり除きます。夏の作業ですから太陽に焼かれ、蔓(つる)に足をとられ、棘(とげ)に刺され、蜂(はち)に襲われ、湿地作業なら蛭(ひる)に血を吸われるかもしれません。【間伐・除伐】植林後6〜7年経過すると、木は太く高く成長しだんだん枝が混みあって空が窮屈になってきます。十分な光と水を受けられるよう思い切って伐採し間引かねばなりません。間伐は50年間に3回ほど必要とされています。一方、除伐と呼ぶのは幹の曲がった木、根元から二股に分かれた木、あるいは樹種の異なる雑木を伐採することを言います。道具として鉈(ナタ)と鋸(ノコ)、現代ではチェーンソーを用います。【枝打ち】秋から冬にかけて、まっすぐで、節のない、一定の太さを保った幹に育つよう、ナタを使って下のほうの枝を打ち払います。【主伐】成長した樹木の切り出しのこと。門出を祝うかのように森林間にチェーンソーのエンジン音が響きわたります。プロが行う大規模な集材作業ならワイヤーロープで麓まで運び下ろすでしょう。
そのほか林道(歩道)の作設や補修も、森林実習で体験します。