さまざまな課題を抱えた少年たち

立山の学校18年目の修了式が終わりました。この1年で、課題を抱えた少年たちは成長したでしょうか。そして出口は見えたでしょうか。一人ひとり、身長は確実に伸びました。筋力が高まり体重も増えました。人づきあいがうまくなったことも見逃せません。友人との間、親と子の間、対大人とのコミュニケーション、いずれも格段に上達しました。少なくとも1年分、彼らははっきりと成長を遂げました。
修了後の進路状況は現在進行形です。高校や職業訓練の学校に進むことに決めた少年たちがいます。休学中の学校に復学する予定の少年に向かって「10年かかっても卒業しろよっ」と声をかけたら、ニヤリと笑い返してくれました。きっと彼らは大丈夫でしょう。定時制や多部制の公立高校へ進学しようとする少年たちはこれから入試の洗礼を受けなければなりません。
一方で、19歳や20歳になる就職希望の少年たちは苦戦しています。経済社会の壁は彼らにとって厚いものです。山の学校が得意とする分野すなわち林業や造園業といえども、正規雇用への道をひらくことは容易ではありません。まずはアルバイト、パート勤務からスタートせざるを得ないかもしれません。
立山の学校は不思議な学校です。学校教育法でいう学校ではありません。決して学術的ではない日常語でいうなら、同じく不登校と位置づけられながら対極にあると見なされる少年たち、すなわち“元気すぎるヤンチャ系”も“おとなしいヒキコモリ系”も、ともに入学可能な教育施設です。
立山の学校は19年目に向けて、平成23年度生を追加募集中です。まず「兵庫県立山の学校」のホームページを検索してみてください。次に電話(0790-62-8088)でお問い合わせください。それから親子で学校見学にお出かけください。